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『ノモンハンの夏』

先月、亡くなった半藤一利を偲んで名著『ノモン
ハンの夏』を手に取る。司馬遼太郎が生前、最後
に取り組もうとしたのが『ノモンハン事件』でし
た。「一体こういう馬鹿なことをやる国は何なん
だろう」。ノモンハン事件こそが日本が破滅への
道へと突き進んだ鍵であったと考え取材を進めま
したが、当時の陸軍の上層に嫌気がさし執筆を断
念したとされてます。そのバトンを引き継いだカ
タチで、半藤一利が【世に送り出した】一冊です。

本書「あとがき」に著者の怒りと思いが・・およ
そ何のために戦ったのかわからないノモンハン事
件は、非人間的(エリート)軍人の政治的な都合
によって拡大し、敵味方に分かれ多くの人々が死
に、あっさりと終息した。それにしても、日本陸
軍の事件への対応は愚劣かつ無責任というほかは
ない。手前本位でいい調子になっている組織がい
かに破滅していくのかの、よき教本である。と記
されてます。今も過去から失敗の本質を学ぼうと
しない【国】の緊張感の無さは何なんだ、ったく。

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