脚本家『橋本忍』が、盟友『黒澤明』
との日々を赤裸裸に綴った手記である。
『橋本忍』の名前を初めて知ったのは、
1974年、『山田洋次』との共同脚
本で、松本清張の原作を上回る出来と
言わしめた傑作映画『砂の器』でした。
黒澤明と協同で脚本執筆をしてた。と
知るのは、それから10年も先なのだ。
『複眼の映像』とは、黒澤の共同脚本
のスタイルである『同一シーンを複数
の人間の眼(複眼)で書き、それらを
編集』することを指している。そうな。
『羅生門』から始まり『生きる』『七
人の侍』と言う、黒澤作品のなかでも
ひときわ輝く3作品のメインライター
であった著者だからこそ、臨場感ある
共同執筆の描写が生々しく描かれてる。
晩年の黒澤映画『影武者』や『乱』の
失敗作?を、正面から評するコトが出
来るのも、この人ならではの『眼力』
で説得力があります。 言うなあ・・。
以前より読んでみたかった一冊なのだ。
文庫本で、この本が読めたコトに感謝。
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