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『妖艶なり』

乱

30年ぶりに黒澤明の【乱】をみる。カ
ラー作品から、黒沢映画への関心は薄く
本編162分は長く感じました。が、女
優・原田美枝子の鬼気迫る妖艶な姿には
驚かされた。30年前、ロードショーで
観たときはこのインパクトは無かったよ
うに思ったのですが・・いやあ、凄いわ。

正直言うて、黒澤作品としては消化不良。
しかしながら、この原田美枝子と井川比
佐志、二人の俳優が他の全てを食ってま
したね。モノクロ作品と比べ、画面から
発する独特の緊張感とコントラストは消
され、ワダエミの衣装デザインもその色
彩美がマイナスになってるようにも見え
る。モノクロ作品なら違う【色】が出せ
たのでは・・と素人ながら思うのですが、
原田美枝子演ずる【楓の方】の毒々しい
妖艶美はモノクロでは出せなかったやろ
ね。彼女の存在があっての本編と言えま
す。井川比佐志との騙し合いの絡みは最
高。【影武者】の其れと異なる発見あり。

 

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