1979年、28歳で芸能界を去る決意を
した【藤圭子】。今のヒトの観点からすれ
ば、【宇多田ヒカル】の母親と言った方が
わかりやすい。引退を前に、沢木耕太郎は
彼女の【インタヴュー】を試みる。ノンフ
ィクション作品として刊行する予定だった。
が、作品手法に引退する【藤圭子】の名を
利用してるのではないか。と公刊すること
に疑問を覚えた著著は出版を見送る。月日
は流れ・・彼女は結婚して娘が生まれ、娘
は成長し【宇多田ヒカル】としてデビュー。
母親に勝るとも劣らない時代の歌姫として
一気に【頂】に上りつめる。娘もまた母親
同様、一時活動を休止。長い間、放置され
た原稿は30数年後・・【藤圭子】の自殺
により、同じ境遇を経験した娘にこの作品
が目に留まることがあれば、ひとりの女性
【藤圭子】と初めて出会うことが出来るか
もしれない。と。本書は30数年の年月を
経て日の目を見ることに。最初から最後ま
で全てが会話のみ。藤圭子、28歳。沢木
耕太郎、31歳。1979年の記録である。
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