高等小学校卒ながら類まれな金銭感覚と人
心掌握術を武器に総理大臣にまで伸し上が
った田中角栄。【俺】という一人称で自ら
の生い立ちから死の瞬間までを描いた一冊。
著者・石原慎太郎という人物は好きではな
いけど、２年ほど前、ハードカヴァーで刊
行された時から読んでみたいと思ってまし
た。先日、文庫化された本書を見つけ購入。
小学校を卒業した後、土方になって朝から
晩までトロッコを押す生活をしてた男が一
国の総理大臣に。金権政治の権化のように
いわれてましたが、あの時代、田中角栄の
ような実行力のある政治家は、この日本に
必要でした。爺さまからの人脈や名門出身
の毛並みの良さに支えられ、その座に就い
た【鳩山由紀夫】なんぞよりヒトとして魅
力的でしょ。石原慎太郎は嫌いですが、さ
すがやね【天才】を上手いこと描きますわ。