3月11日を前に、福島第1原発事故でこ
の国の命運を駆けた5日間【全電源喪失の
記憶】を読み終える。この日を迎える前に
まだ何一つ、終わらぬ事故。を考えてみる。
あの日、自分はどこで何をしてたのか。皆
が語れる忘れることのない日、いま日本で
共通の記憶は2011年3月11日でしょ
う。本書巻末、池上彰の解説『あのとき何
があったのか』を応用させていただきます。
本書には・・あの時、実際はどのようなや
りとりがあったのか。暴走を始めた原子炉
に立ち向かう勇敢な人々だけでなく、恐怖
に立ちすくむ人、現場に行くと手を挙げら
れなかった人、何れも実名で記されてます。
吉田昌郎・第1原発所長の指揮のもと、事
故を止めたのは最終的に人のチカラでした。
その一方で、首相官邸や東電本社、マスコ
ミは、外野から現場の邪魔ばかりしました。
本書を読んだ人は・・『もし自分があそこ
にいたら、どのようなことができただろう
か』と自問するに違いありません。あのと
き何があったのか。現場の人たちはどのよ
うな思いで事にあたったのか。その記憶を
忘れることなく継承していく。そのための
全電源喪失の記憶。の役割は大きいのです。