この３月、原尞・１４年ぶりの新作【それま
での明日】を読む。１９８９年のデビュー作
以来、探偵・沢崎シリーズ６作。どの作品も
おもしろい。【それまでの明日】以前の沢崎
に会いたくなった。前作【愚か者死すべし】
を本棚の奥から引っ張り出して読むことにし
た。読みはじめ１６０頁、あれだけおもしろ
かったと思った本書。が、その内容を何ひと
つ憶えてない。西新宿のはずれのうらぶれた
通りにある『渡辺探偵事務所』の佇まいと新
宿署の匂い以外は何も・・惚けてるのかワシ。
しかしながら、その物語のおもしろさ、これ
ぞハードボイルド！に再度、浸ってる。沢崎
の台詞ひとつひとつが冴えてます、大人だね。