太平洋戦争の敗色濃い昭和２０年、天皇陛下
はどのような生活を送っていたのか。本書は
１月１日から１２月３１日までの皇居を舞台
に、昭和天皇の暮らしが描かれてます。また、
陛下の【起床から就寝】までの１日も詳細に。
ワタシたちの知る、昭和２０年の昭和天皇は
終戦の玉音放送前日の正午から翌日、正午の
【日本のいちばん長い日】のなかの陛下です。
本書では玉音放送後、その日なすべき仕事か
ら解放された夜、思いがけない訪問者を迎え
たことや、年の暮れにかけ、去り行く皇室側
近の様がわかりやすい文書で紹介されてます。
昭和２０年の大晦日。翌日、新年を迎え夜が
明ければ、天皇の『人間宣言』を掲載した新
聞が、空襲の傷が癒えない街に配られてゆく
だろう。来る年がどんなものになるのか、誰
にもわからない。しかし、今はあれこれ悩む
のはやめて瞳を閉じて寝よう。で締められる。
昭和史に関心あるヒトなら、頁を捲る手が止
まらず一気に読み切れる面白さです。今夏の
【日本のいちばん長い日】を前にお薦めです。