2日前まで、その題名すら知らなかった【暁
に祈れ】を観に行く。イギリス人のボクサー
がタイの刑務所で服役、獄中でムエタイを覚
え生き抜けたとされる【自伝小説】の映像化。
あらすじを知り、70年代に観た傑作【ミッ
ドナイト・エクスプレス】と重なり、劇場ま
で足を運んだ次第です。【ムエタイ】という
カテゴリーの格闘技も気になるところでした。
が、ムエタイの映画ではない。劇中の舞台は
刑務所の中、収監されてる囚人は今まで観た
どの映像作品よりも強烈である。どの囚人も
全身刺青だらけ、劣悪な環境の中、熱気と湿
気と臭気が混ざり合い、塊となって襲ってく
るのだ。70年代のアニメーション【あした
のジョー】の特別少年院のシーンを、そのま
ま実写にしたような映像です。これほど【便
所】臭さと痛さが伝わってくる映画は観たこ
とがないぞ。まあ、凄いわ、塀の中の人たち。