読売新聞朝刊【編集手帳】にて、その昔、刑
場に向かう咎人(とがにん)が落涙したのが
名の由来だという東京、台東荒川両区の堺に
大正時代まで存在した【泪橋】に目が留まる。
漫画【あしたのジョー】では同名の橋が重要
な舞台装置として登場する。漫画の連載開始
は1968年。成長と閉塞が同居した時代に
ジョーの物語もまた、そんな対比から始まる。
先行きの不透明さは今の世も同じようなもの
か。【泪橋】を背景に混沌のなか、己の拳に
懸けて闘い続けたジョーが、半世紀たった今
も支持されるのは必然なのかもしれない。と。
古い昭和者には、この感覚はよう分かります。