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『深緑野分、恐るべし』 

【ベルリンは晴れているか】を読み終える。噂
に違わず読み応えありの一冊だ。舞台は194
5年・終戦直後のベルリン。著者・深緑野分は
30代半ばですよね。著者自身が見たことのな
い70数年前の異国の地、混沌としたベルリン
をここまで描写できることの能力の高さ(筆の
チカラ)に驚かされる。廃墟と化した建物の壁
や床、室内のカビ臭さまでも文書から伝わって
くる。また、その時代に生きた多国籍・登場人
物、各々の置かれた状況のこころの中まで余す
ところなく描かれてます。物語の真相が明かさ
れるラストの30頁まで話の行方は見えません
でしたが・・圧巻でした。本作は翻訳小説では
なく著者の創作である。深緑野分、恐るべし。

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