読売新聞朝刊・教育欄の【先生のコトバ】に
作家・佐藤優の体験談。『好奇心をもち、自
分で考える』に目が留まる。佐藤は高校時代
の恩師・桐山先生に、好奇心もって本をよく
読み、自分で考えろを教わりました。と語る。
ワシ自身の高校時代、残念ながらそのような
先生との出会いは無く、しかし、なぜこのコ
ラムに目が留まり、何度も読み直したのやろ
そう思うと、そこには父親の姿がありました。
ワシの本好きは、父親に似たものですが、父
親から薦められたことは1度もない。それど
ころか高校時代は、父親が読み終えた本をく
すねては古本屋にそれらを売り飛ばし、自分
の小遣いにしてました。本を読み始めたのは
高校卒業間際に読んだ、矢沢永吉の【成りあ
がり】ですわ。考えてみればワシにとっての
【先生】は父親なのかも知れない。そう思っ
たのは随分トシをとってから。しかし、それ
ら何かを『言葉』で教えてもらったとかでは
なく、静かな人であった父親は、黙して語ら
ず、その背中をみて、後に身に着いた教えが
多かったように思うです。ハタチ前に若気の
至り?で一時期、宗教を変え、親族から大ひ
んしゅくを買ったときも意見しなかった父親。
18年前、父親の他界と同時にそれまでのデ
ザイナーのシゴトを卒業し【0】から新たな
世界の扉を開けたのも、そこに父親の姿があ
ったからだろう。好奇心もち、自分で考える。
そのコトバ、黙して語らぬ父親の背中にあり。