映画【七人の侍】が好きな人にとっては、たまら
ん一冊です。本書の存在を知ったとき、直ぐに書
店へ向かいました。黒澤明監督の傑作時代劇【七
人の侍】は、１９５４年４月に公開。その撮影に
１０ヶ月をも要したことは伝説となってます。が、
ロケ地に関してはあまり知られてない。本書では
１都２県の５か所からなる撮影現場（ロケ地）を
探索、６０数年前のスチール写真に残る山の稜線
や周囲の状況をもとに航空写真も駆使し、さらに
は関係者の証言等から、謎となった撮影現場を特
定。結果・・別々の土地で撮影されたシーンが繋
ぎ合わされ、あたかも同じ場所で撮影されたかの
ように仕上がった映像に改めて驚かされます。神
業と言おう。作家・沢木耕太郎が、戦場カメラマ
ン・ロバート・キャパの報道写真『崩れ落ちる兵
士』の謎（真贋）求め、スペイン南部の『現場』
を特定した【キャパの十字架】と重なりましたよ。