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『真夜中の向う側』

午前1時過ぎ、スマホの着信音に起こされる。い
つもならば店の営業時間なので、驚きもないけど
今は休業中の身、なんぞ良からぬことでもあった
のでは、と飛び起きる。声の主はインドネシア在
住の悪友。何年ぶりになるやろ「久しぶりに声が
聴きたくなってな」と。10年くらい前になりま
すか、帰国時の来店では互いの誤解から一触即発
になりそうにも。対峙し「こいつの腹の底を覗い
てやろう」と目を三角にしてね。腹を割って話を
しました、誤魔化しは無しだ。なので、数年ぶり
でも前日に顔を合わせてたように話もできる。積
もる話に時計を見ると、午前2時。真夜中の向う
側はマイナス2時間とのこと。ええ話ができまし
た。また会いたいな、どこがええ? 5年後、む
かし一緒に行ったニューヨークの『エジソンホテ
ル』の前で待ち合わせしようや。で話しは決まる。

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