先月に続き『文藝春秋』を購入する。一度、手に
すると読み終えるまで数日間を要します。今月号
も読み応えあり。特別企画として小林信彦が選ぶ
『日本映画ベスト５０』。紹介された５０本の中、
『火口のふたり（２０１９）』に目が留まる。十
日後に結婚式を挙げる主人公の女性が故郷に帰り
むかしのオトコと再会。「今夜だけ、あの頃に戻
ってみない？」。ふたりは挙式までの五日間を欲
望のままに生きてみる。ふたりだけの日常、ふた
りだけの会話、ふたりだけの身体の言い分。本作
に関する小林信彦の言葉をお借りすると「日本映
画でここまで（セックス）描写をしたのかと私は
感心した。また、すっかり瀧内公美のファンにな
り、新作を観たいと念じている」。先日まで本作
の存在は全く知りませんでしたが、本編を見終わ
ったあと、２０１９年度のキネマ旬報ベストテン
１位、主演女優賞の受賞に納得する。いやあ、こ
の女優さん凄いわ。小林信彦同様、ワシも彼女の
ファンになりましたよ。『文藝春秋』に感謝やね。