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『角栄の時代』

今月の文藝春秋・特別企画の【昭和魔人伝】、
激動の時代をかき回した男と女のなかに『田
中角栄』の名前。桁外れの男女8人のなかで
も角栄の存在は群を抜いてる。寄稿は田原総
一朗、1980年に角栄に単独インタビュー
した当時の苛烈な思いを語る。学歴も派閥も
待たない角栄が、なぜ総理大臣まで登りつめ
たのか。その鍵となるのは法律の知識で、1
年生議員の時から六法全書を小脇に抱え、驚
異的な記憶力で全ての条文を暗記していたと
いう。「自分は法律そのものであり、検察や
国税局に追及されるような法律違反は何もや
っていない。全て説明し、論破できる」とも。

田原総一朗がインタビューで対峙した角栄か
らは、強烈な「昭和」という時代のエネルギ
ーがほとばしり、田中角栄という人物に比べ
れば「平成」「令和」の政治家も経済人もそ
のスケールは小さく、縮こまってる。と。角
栄が田原に語った「田原くん、私のように戦
争を知る政治家が存在するうちは、この国は
戦争を起こさないよ」に、有無を言わさぬ説
得力あり。その佇まいで、大衆を呑みこむだ
けの迫力ある政治家は「令和」には居ないな。







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