古いアームチェアを修理に出したところ、中から
ナチの書類が見つかった。誰がなんのために隠し
たのか。その謎を追ううちに、歴史から消えたひ
とりの S S（親衛隊）将校の人生が浮かび上がる。 

ある書評より、興味を持ち手にする。第三帝国の
一部として職務を果たした『普通のナチ』とその
家族、歴史では語られることのなかった記録です。
史実を求めてゆく著者の姿勢、沢木耕太郎がロバ
ート・キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」の謎を
追って「スペイン内戦地」に向かい、長年の疑問
に答えを出す『キャパの十字架』と重なりました。
高額な一冊でしたが、歴史書として読み応えあり。