芥川賞受賞作【春の庭 柴崎友香】を読
む。近年の男性作家受賞作【苦役列車】
【共喰い】等の泥臭い作品と比べ、女性
作家の受賞作品(全てを読んだワケでは
ありませぬ)は、何やふわふわした感じ
のモノが多い気がします。この度もまた
然り。と言うても、今回の受賞作は嫌い
ではありません。著者の俯瞰的・目線か
ら見下ろす、町、路地、暮らしがセピア
色の映像を見てるかの様に浮かび上って
くる。日常を切り取り取ったように淡々
と展開する物語は疲れたアタマにちょう
ど良い加減です。旧い住宅・写真集を捲
るように描写された小説は読む者に心地
よい空想の【記憶情景】を作らせるのだ。
『春の庭』
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