『2016年の週刊文春』を読む。実に730頁
もの大作です。2020年の暮れに単行本にて刊
行されたときはパスしました。『文藝春秋』『週
刊文春』ともに長年の愛読者です。しかしながら
本書の著者である柳澤健には、過去の著作より個
人や団体に対して偏見や悪意ともとれる意図的な
表現に嫌悪感を抱いてました。この度、書店で文
庫化された本書を見つけ、価格も手ごろなことか
ら手にした次第です。さて、その『週刊文春』と
はなんぞや。右翼にも左翼にも偏さない、相手が
総理大臣だろうが、創価学会だろうが、朝鮮総連
だろうが、ジャニーズ事務所だろうが、書くべき
ことは信念をもって書くという雑誌だ。権力者は
自分の都合の良い情報だけを発信し、都合の悪い
情報は徹底的に隠します。『文春』のスタンスは
不都合な真実を正確に伝える、カネ出して購入す
る価値ある週刊誌と認識しております。本書の前
半で『文藝春秋』『週刊文春』また『週刊新潮』
の歴史を知る。後半はスマートフォンの爆発的な
普及により情報の扱われ方とスピードは激変、雑
誌は紙からデジタル化への移行、『文春』もその
渦中に。苦戦しながらも『文春』はとっておきの
スクープがじゃんじゃん出てくる、カネを払う価
値あるメディアとして、その【ブランディング】
を位置づけたのが2016年とある。当時の編集
長の言葉です。読み終えての感想ですか。730
頁の大作もあっという間に、正直におもろかった。
『2016年の週刊文春』
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