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『日本の黒い霧』

なぜ、本を読むのか。それは事実が知りたいから。
昨年末に放映された『未解決事件(松本清張と帝
銀事件)』をみて事件の深層が知りたくて『小説 
帝銀事件』を読む。それだけでは物足りなくなり
戦後の日本で起きた怪事件の背後に何が存在した
のか、米国・GHQの恐るべき謀略に肉薄した昭和
史の名作(ノンフィクション)『日本の黒い霧』
を20年ぶりに本棚の奥から引っ張り出して読ん
でみた。1945年8月の敗戦から、1951年
9月のサンフランシスコ講和条約の調印まで、米
軍による日本占領の時代が続いた。その間、独立
国家としての主権はなく、政治・経済から教育や
文化の諸政策に至るまですべてGHQの支配下にあ
り、その指示にしたがって日本政府は右往左往し
つつもそれらを実行せざるを得なかった。上巻か
ら下巻へ『下山事件』『松川事件』『帝銀事件』
など、GHQが陰謀の限りを尽くし暗躍する様を抜
群の情報収集能力と推理力で、隠蔽された戦後史
深部にメスを入れた名著。日本人なら必読の一冊。

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